橋ものがたり
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ベトナム中部の歴史を跨ぐアーチ ナムオー鉄道橋物語
海風の向こうに見えたアーチ ダナンから北へ向かう国道を走っていると、不意に視界の端に淡い緑の鉄骨が現れた。 海から吹きつける風は湿り気を帯び、空は低く垂れ込めている。 その中で、アーチを描く鋼材だけが、潮と時をくぐり抜けてきた者のように静か... -
ベトナム・ダナン「ドラゴンブリッジ」── なぜこの街に龍が舞い降りたのか
朝の光を浴びる黄金の龍 8月の午前9時、ハン川沿いの遊歩道に立つと、澄んだ青空の下で黄金の龍が悠然と横たわっている。 「ドラゴンブリッジ(Cầu Rồng)」──その姿は、まるで川を見守る守護神のようだ。 橋の上では、バイクや車が絶え間なく行き交い、... -
ホイアンの日本橋(遠来橋)―時を超える“Chùa Cầu”の物語【ベトナム】
汗だくで巡るホイアン、そして日本橋との出会い 2025年夏、ベトナム・ホイアンの旧市街を、汗だくになりながら巡り歩いていた。 まぶしい快晴の青空の下、ふと目に入ったのは、絵画のような美しさと重厚感を併せ持つ「日本橋(Japanese Covered Bridge/Ch... -
岸和田大橋の歴史と現代:アーチ橋が見守る港町の変遷と絶景
岸和田大橋とその歴史を歩く【フォト&解説】 アーチの下をくぐる潮風が、何十年もの間この町の営みを見守ってきた。 ふとハンドルを握る手に力を込めると、「ああ、岸和田に来たな、、、」と心の声がこだまする。 現代的な鋼のフォルムと、祭りの山車(だ... -
十勝の絶景!札内青柳大橋で体感、帯広・札内川を渡る新ランドマーク【北海道】
札内青柳大橋とは? 帯広市と幕別町をゆるやかにつなぐ「札内青柳大橋(さつないせいりゅうおおはし)」は、広大な十勝平野を代表するスタイリッシュな斜張橋である。 道東方面へのドライブや車中泊旅のルートに組み込むと、交通の要所としてだけでなく、S... -
北海道池田町の池田大橋:時代を刻む十勝の要路【北海道・いけだ】
歴史的背景 池田大橋は、北海道池田町の利別川に架かる橋梁として、明治時代から平成にかけて十勝地方の発展とともに重要な役割を果たしてきた。 この地域の橋梁の歴史は、明治時代の開拓とともに始まる。 明治時代 明治期の交通基盤では、明治28年(1895... -
斜里新大橋の歴史的変遷と現代への歩み【北海道・斜里】
明治期から現代に至る橋梁インフラの発展史 斜里新大橋は、北海道斜里町を流れる斜里川に架かる現代の橋梁であるが、その歴史的背景を辿ると、明治期から続く北海道開拓と密接に関わっている。 明治時代 明治5年(1872年)に斜里郡の村名が定められ、ヤン... -
道頓堀橋と“くいだおれ文化”の交差点──橋の上にこぼれる笑顔
大阪一広い橋、地下鉄と一体構造? 道頓堀橋の基本情報 道頓堀橋は、大阪・ミナミのど真ん中、道頓堀川に架かる御堂筋(国道25号)の橋である。橋長38.2メートル、幅員43.6メートルという堂々たる規模は、市内の単独橋として最も広い幅員を誇る。 現橋は昭... -
十勝大橋:何度も渡るたびに見えてくる、歴史の物語【北海道・音更・帯広】
十勝大橋 北海道河東郡音更町木野大通西7丁目〜帯広市西4条北 見慣れた橋に、思いがけない出会いがあった 毎月のように帯広を訪れている。この町には、家族がいるし、友人もいる。なにより、自分自身が何かを整えるために、北海道の空気を吸いに来ているの... -
北海道・三石橋(みついしばし)の歴史と魅力
三石橋とは何か 三石橋(みついしはし)は、北海道日高郡新ひだか町三石地区に位置するコンクリート橋である。 長年にわたり地域の交通を支えてきた重要なインフラの一つであり、現在も道路橋としてその役割を果たしている。 橋のすぐ横には、今は使われて...